『老子』 誰もが納得することは真理ではない
自分が正しいと思うことが、他人から受け入れて貰えないことは多い。
自分が間違っている場合もあるだろう。
何度も反省することは必要だと思う。
しかし、本当の真理や道理は、分かって貰えないことの方が多いのではないか。
もしくは、口では分かったと言いながら、実際の行動に移さない人も多い。
老子によれば、
優れた人物は真理を聴けば、すぐにそれを実行に移そうとする。
中程度の人物は、理解は示すが行動には移さない。
駄目な人物は、馬鹿にして、真理を笑う、という。
僕を含め、世の中に数多くいるのは中程度の人物である。
つまりは、何が正しいかは分かりながらも、実行できない人たちである。
世の中の大半が中程度の人物で占められているということは、真理では人は動かないということである。
つまり、正しさでは世の中を渡っていくことは出来ない。かといって、正しさを捨ててしまえば、人とは言い難い。
つくづく人の世は難しい・・・。
德経 同異第四十一
上士聞道、勤而行之、中士聞道、若存若亡、下士聞道、大而笑之。不笑不足以爲道。
上士は道を聞けば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存するが若く亡(な)きが若く、下士は道を聞けば、大(だい)として之を笑ふ。
笑はざれば以て道と爲すに足らず。