天下の小論

其の詩を頌し、其の書を読み、其の世を論ず 東洋古典の箚記集です

『荘子』 目的と手段を取り違えてはならない

殷(商)を倒して天下を統一した武王の曽祖父である古公(大王)亶父(たんぽ)の有名な話である。 『史記』などにもあるが、今回は、『荘子』から紹介したい。 大王亶父が邠(ひん)という地にいた時、異民族である狄人が攻めてきた。 戦いを避けようとして…

『荀子』 德が無く能力が高い人間が一番の害悪となる

学問をするということは、本来は、徳育が中心であった。 それが、明治以降、知育に、その座を奪われた。 第二次大戦後は、徳育は棄て去られ、知育と体育だけになった。 体育大学はあるが、徳育大学はないのが、今の日本である。 徳もあり能力もある、これが…

『韓非子』 馬鹿をバカにする奴は馬鹿である

人に対して礼儀を尽くさないとする。 もし、その人が立派な人であるとするならば、それは大いに失礼なことである。 もし、その人がならず者のような人間であるとするならば、恨みに思って仕返しをされるかもしれない。 相手がどういう人であれ、礼を尽くして…

『戦国策』 全員一致は恐ろしい

『日本人とユダヤ人』(イザヤ・ベンダサン)によると、ユダヤでは全員が一致して賛成したことは、無効になるという。 出来うるだけ、皆が同じであろうとすることを求める日本人とは、随分と違うものである。 中国戦国時代の遊説家として有名な張儀と、荘子…

『韓非子』 第一線の重要性

良い商品を作り、適切な価格設定をし、サービスも充実させ、広告宣伝をしても、ビジネスがうまくいかないという話である。 ある酒屋がいた。 良い酒を造り、正直に客に接し、幟も高く立てているのに、全く酒が売れないのである。 折角の美酒は、いつも酢にな…

『晏子春秋』 出来ないことを悩むより出来ることを考えよう

西洋でも東洋でも、火星は不吉な星ということになっている。 ある時、その火星が空に現れた。 不安を感じた景公は、晏子に「何とかできないか」と尋ねた。 晏子の答えが、実に素晴らしい。 「来させることが出来るものは、去らせることができる。来させるこ…

『大学』 偽薬効果

小人、閒居して不善をなす。

『淮南子』 馬鹿と議論するな。はた目には、どちらが馬鹿かわからない。

僕が何らかの主張をする。 そこには反対する人間がいる。 お互いに自分が正しいと信じていればいるほど、歩み寄りは難しい。 そこに、第三者が現れて、 「それはあなたさんが違うでしょう」 とか言われて、反対者の意見が採用されてしまう。 何故そうなるか…

『管子』 臣なきを患えず、財なきを患えず

社員研修などで講師を務めれば、僕は先生という立場になる。 では、受講者と比べて、どれだけ優れているかといえば、これは疑問である。 しかし、受講者は、その立場として、先生の指示に従わなければならないし、それが当然と考えている。 同じようなことを…

『列子』 メラビアンの法則

(今回はとても有名な話です。多分、高校で習った筈です) 心理学者のメラビアンによると、人の感情は、「態度や表情」「話し方」「話の内容」の三つで他者に伝わるという。 そして、伝わる感情の全体を100%とした時、「態度や表情」が55%、「話し方」が38…

『孟子』 過ちて改めざる、是を過ちと謂う

アルフレッド・スローン(元GM会長)によれば、「51パーセントの確率で正しいことをしていれば、そのうちヒーローになれる」という。 人は間違うのである。 問題は、スローンの言うように間違う確率と、間違った後の対処である。 昨今の社会を騒がす事件を見…

『論語』 人のふり見て我がふりなおせ

One man's fault is another's lesson.

『戦国策』 善と正義とは全く違ったものである

跖(せき)の狗(いぬ)、堯(ぎょう)に吠ゆるは、跖を貴んで堯を賤(いや)しむるに非(あら)ざるなり。 跖とは、盗跖(とうせき)と言い、古代中国の大悪党である。堯とは、聖人であり、古代中国における名君の代表である。 大悪党である盗跖の飼い犬が…

『荀子』 仁者は必ず人を敬する

人を、善い人、悪い人に二つに分けたとする。 善い人に対して敬意を示さないということは、こちらが人でなしの獣ということになる。 悪い人に対して敬意を示さないということは、獰猛な虎を馬鹿にするようなものである。 つまり、どのような人に対しても敬意…

『論語』 酒は飲んでも飲まれちゃならぬ 

儒学、論語、道徳などという言葉を聞くと、堅苦しいイメージしかない。聖人君子といえば、遊びもなければユーモアもなさそうである。 しかし、実際はそうでもない。 儒学は、キリスト教のような意味での清廉潔白さを求めてはいない。 金持ちが天国に入るのは…

『蒙求』 不労所得へのアンチテーゼ

西郷隆盛は、征韓の論争に敗れて鹿児島へ帰る際、家屋敷を買った時と同じ値段で売ったという。 不動産屋が、「今では随分値上がりしています」といっても、商人ではないから儲けるつもりはないと断ったらしい。 時苗(じびょう)という人も、似たような人で…

『蒙求』 金持ちも良し、貧乏も良し

東洋の、貧しさをかっこいいとする思想は素敵である。 徒然草の第十八段に、次のような文がある。 唐土に許由といひける人は、更に、身に随へる貯へも無くて、水をも手してささげて飲みけるを見て、なりひさごといふ物を、人の得させたりければ、或時、木の…

『孟子』 人に頭を下げるのではなく金に頭を下げる

明治の初め、武士の商法という言葉があったように、武士はその誇りからか他人に頭を下げることが出来なかった。 もちろん、これでは商売が出来ない。 三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎は、こういった元武士たちに、 「人に頭を下げるのではなく、金に頭を下…

『論語』 良心こそが最高の判断基準です

「君子愛財、取之有道」(君子、財を愛す、之を取るに道あり) という言葉がある。 ネットで調べてみると、『論語』の言葉であるとか、孔子の教えであるとか書いている人が多い。しかし、私の知る限り、『論語の』の中にはそのような言葉はない。 孔子が、富…

『孟子』 親は子供を教育してはならない

親が自分の子供を教育することは、自然の摂理に反している と孟子は言う。 人としての正しい道を子供に教え、子供がそれを守らなければ、どうしても怒ってしまう。怒りは、親子の情愛を薄れさせ、その関係を悪くしてしまう。 また、親だからといって、常に正…

『淮南子』 愛せず利せざれば、親しき子も父に叛く

(淮南子=これは、「えなんじ」と読みます) 今や、年功序列といった人事制度をとっている会社はないであろう。 しかし、年功序列をやめて、本当に会社は良くなったのだろうか。 もしくは、年功序列をやめずにいたら、会社は悪くなったのであろうか。 よく…

『孟子』 心と身体はどちらも重要な筈です

孟子は言う。 くすり指が曲がって伸びないとする。決して痛い訳ではなく、不便な訳でもないとする。 しかし、これをきちんと治療して貰えるとしたならば、どんなに遠くにでも行くだろう。それは、指が人並みでないことを恥じ憎むからである。 ところが、指よ…

『世説新語』 なぜ、部下から意見が出ないのだろうか?

東晋の時代、劉簡という人がいた。剛直な人柄であった。 ある時、意見を求められたが、何も答えなかった。 上司である桓宣武(桓温)が、 「何故、意見を言わないのか」 と、問うた。 それに対して、劉簡は、一言、答えた。 「言っても、採用されないことが…

『管子』 「今度、飯でも食おう」って言う人は本気なんだろうか?

始めて会ったばかりなのに、親しそうにしてくる人間とは付き合わない方がいい。長い間会っていなくても、こちらを忘れない人間とは付き合った方がいい、という。 それほど親密でもない人から、「今度、飯でも食おう」とか「今度、誰それを紹介してあげよう」…

『春秋左氏伝』 賄賂の上手い処理方法

賄賂を断ったことで有名なのは、何といっても後漢の楊震であろう。 楊震という名前は聞いたことがなくても、 「天知る、地知る、我知る、汝知る」 という四知という言葉を、知っている人は多いだろう。 賄賂を持ってきた男が楊震に、 「これを受け取られても…

『列子』 類に貴賤なし

日本人は、宗教的にいい加減な民族だと批判されることがある。 生まれたならお宮参りで神社に行き、教会で結婚式を挙げ、死んだら仏になるなんて話を聴けば、敬虔なキリスト教信者といった立場の人からすれば、許し難いほどいい加減かもしれない。 しかし、…

『論語』 天才と馬鹿を教育することは出来ない

ある人材育成のセミナーに出席した時のことである。 セミナーの最後に、出席者の一人が講師達に質問した。 「人材は、優秀な2割、平均的な6割、そして駄目な2割に分かれると聞きましたが、この駄目な2割に対する育成は、どう考えればよいのでしょう?」 講…

『中庸』 相手の立場に立つとはどういうことか?

何事でも、人から自分にしてもらいたいと望むことを、人にもしてあげなさい(新約聖書)

『論語』 人生にもマネジメントにもノウハウはない

死生、命あり。富貴、天にあり。

『孟子』 構成員に犠牲をもとめる組織は潰れます

祖国のために死ぬことが、戦いに勝つことではない。相手国のやつらを相手国のために死なせることこそ、戦いに勝つことだ。

『列子』 人は自分の見たいように世の中を見る

人は、何らかの現象を見たとき、その理由を考える生き物である。どうして、そうなっているのだろうと考え、解釈し、納得する。 例えば、ある金持ちを見た時、きっと一生懸命働いたから金持ちなんだろう、と考える。人によっては、きっと悪いことをしたから金…

『蒙求』 人前で緊張しないような人間は一流にはなれない

緊張こそがエネルギーです。

『孟子』 目引き袖引きして人は嘲笑う

人間には多少のやせ我慢が必要です。

『晏子春秋』 差別用語は誰が決めたんだろう

deaf and dumbは組織をダメにします。

『荘子』 大泥棒に学ぶ理想的なリーダーの姿

聖・勇・義・知・仁

『論語』 部下の仕事の邪魔をする管理者が実は多いのです

「啓発」という言葉の語源です。

『論語』 悪いことをしないからといって良い人だとは言えない

自分を善人だと考えるのはよしましょう。

『論語』 品性に欠けた人間を管理者にしてはならない

ドラッカーの考えは東洋的です。

『国語』 贅沢することだけが成功の尺度ではありません

清貧という思想は恰好いい。

『老子』 平凡に生きるのが実は一番難しいかもしれない

老子の思想には不思議な魅力があります。

『孟子』 安倍首相が尊敬する吉田松陰という人

此れをこれ大丈夫と謂う。

『呂氏春秋』国益という言葉に騙されてはいけない

国益という言葉は嫌いです。

『蒙求』 偽善もまた善である

杉良太郎が好きになりました。

『史記』 古典というのは凄いもんだ

百年残る本を書きたいなぁ・・・。

『蒙求』子供たちに暗唱させるなら、教育勅語より『蒙求』がいいよ

蛍の光窓の雪

『韓非子』 人って本当に説得できるんだろうか?

韓非子のコミュニケーションにおける嘆きです。

『論語』 人生に無駄なことはない

人生は近道をしない方が面白いのです

『淮南子』 知っているからといって、分かっているとは限らない

本当に分かっていなければ何もできないのです。

『韓非子』 許される嘘と許されない嘘の違い

子供を騙してはいけません。

『孟子』「責任転嫁するな!」と言って責任転嫁するのは良くないだろう

人は、悪いことの原因を自分には求めない生き物です。