天下の小論

其の詩を頌し、其の書を読み、其の世を論ず 東洋古典の箚記集です

孔子家語

『孔子家語』 貧は士の常なり

孔子が太山(泰山)に行った時のことである。 栄啓期(えいけいき)という人が、郕(せい)という魯の町の野で、貧しい身なりで琴を弾いて、楽しそうに歌を歌っていた。 奇異に感じた孔子は、尋ねた。 「あなたの楽しみは何ですか」、と。 栄啓期が答えるに…

『孔子家語』 子供の言い訳

ある時、「大阪人はケチだ」と言った人がいた。 そうすると、そこにいた一人が、「そんなことはない。東京の人間だってケチだ」と言い返したことがあった。 これは反論にはならない。 反論したいのであれば、大阪人がケチではない証拠を挙げるべきであり、東…

『孔子家語』 5つの不吉なこと

ざくっとした感覚ではあるが、西洋でも東洋でも、古代の方が合理的である。 近世、近代になるにつれ、人間は非合理になっていくような気がする。 古代の人である孔子は、「風水」などといった妖しげなことは、言わない。 東に建て増そうが、西に増築しようが…

『呂氏春秋』国益という言葉に騙されてはいけない

国益という言葉は嫌いです。

『孔子家語』 実るほどこうべを垂れる稲穂かな

傲慢学会なるものが、イギリスにあるらしい。経営トップの傲慢は大きなリスクであり、権力の座に長くいることにより性格が変わるのは、人格障害の一種で「傲慢症候群」だと、書かれている。 トップの傲慢さが大きなリスクだというのは、当たり前のことで、何…

『孔子家語』いくら相手が悪であっても、それは自分も悪を行うことの理由にはならない

明治書院)新釈漢文大系53 『孔子家語』宇野精一著 144頁 観周第十一