『管子』月初有望 月末落胆
日本は言霊の国だからかもしれないが、否定的な発言や後ろ向きの言動は、どうも好まれない。
不吉だ・・・とか、弱音を吐くな・・・とか、言われてしまう。
確かに、何でもかんでも後ろ向きになられても困る。
しかし、多くの場合、物事の処理を誤るのは、前向きすぎる時ではないだろうか。
高い目標、困難な目標を示された時、常に
「分かりました!頑張ります!必ずやります!」
と答える部下がいる。
上司からすると、可愛いものであるが、大体がうまくいかない。
昔、営業の世界では、これを「月初有望、月末落胆」型などと、呼んでいた。
また、上司の指示命令に対して、唯々諾々と常に従う部下がいる。
これも、上司からすれば可愛いが、最後に裏切るのは、大体、こういうタイプである。
「絶対できます」なんてことを当てにしてはならないし、「絶対やります」なんてことを信じてはいけないのである。
新釈漢文大系『管子 上』30頁
形勢第二
必得之事、不足頼也。必諾之言、不足信也。
必得(ひっとく)の事は、頼むに足らざるなり。必諾の言は、信ずるに足らざるなり。